家づくりを考えた時、家相・風水等の文字が頭に浮かび、勉強された方も多いことと思います。家相とは、風水や気を取り入れた開運学ですが、細かく気にされてしまうと現代の住宅事情では家が建たなくなってしまいます。家相は奈良時代に古代中国で生まれ日本に伝わりました。 電気・ガス・上下水道等のライフラインが整備されていなかった時代に自然と上手に付き合って行く上での先人の教えともいえるものです。
家相を気にされる方、されない方、様々ですが、これは占いではありません。これだけの長い年月、現代まで多くの人々に伝え継がれて来たと言うことは決して無意味なものではないと言う事です。悪いと言われる事を無視するより、良いと言われる事を取り入れ、少しでも不安要素を取り除いた方が良いと思います。家相の先生は家相に付いてはプロですが建築については素人です。建築家は家づくりについてはプロですが家相については素人です。 “らくら”では両者による現代の環境、建築技術などを考慮し基本的な事を守り、ご提案する事は勿論の事、希望者には直接、家相の先生をご紹介致します。一部、営利を目的とした占い師や宗教団体が存在し、何が本当なのかが解らなくなってしまいますが、その様な者に迷わされる事のない様ご注意下さい。
家相とは解りやすく説明しますと、全ての物には、裏(陰)表(陽)とがあります。敷地の使い方、出入り口家の間取りにも陰、陽の部分が存在します。陰と陽とは人間で言いますと生と死、エネルギーではマイナスとプラス、季節で言い現わせば冬と夏と言ったように、陰と陽を上手く調和させる事が家相です。神経質にならないで現代のような住宅事情の中、限られた敷地、家の大きさを考慮し家を建てようとしたときに家相を細かく気にされると、皆様方が思い描いている様な理想的な家は建てられません。
家相とは先人の知恵です。悪いとされている事を、あえて行う必要はありませんが、なぜ良くないのかが解っていれば安心できるものと考えます。家を建てようとしたときに知っておきたい表鬼門、裏鬼門鬼門とされている方位には、北東方向を表鬼門、南西方向を裏鬼門とされています。また、表鬼門を男鬼門と言い、裏鬼門を女鬼門と言います。男鬼門が悪ければその家の主や長男に、女鬼門が悪ければ奥様や長女に災いが起こるなどと言われていますが何故でしょう。昔の家は断熱材もなかったために、夏は暑く、冬は寒い家でした。表鬼門は北東方向ですので、冬場は一番寒くなる場所になります。そこにトイレなどを造ってしまうと、冬場に脳梗塞や心筋梗塞などで倒れる人が多かったために良くないとされてきました。裏鬼門は南西方向にあたります。そこにキッチンを造ってしまうと夏場、料理などで火を使う際、熱がこもり、奥様方が熱中症などで倒れたり、食中毒などが多かったためと思われます。
この様に、家相には風水や気学の他に先人の知恵が受け継がれてきています。しかしながら現在の住宅事情は、昔とは比べ物にならないほど進歩しています。自然と上手に付き合ってゆくためにも、現代の住宅事情を考慮しつつ、先人の教えに学び、機械に頼る事のない本当の意味でのエコ住宅が必要です。
各箇所の設置場所として良くない方位
<玄関>


表鬼門(北東方向)、裏鬼門(南西方向)には古くより水回りや玄関をもって来ると家族が事故にあったり、うつ病、病弱短命といった様々な災害をもたらすと言われています。家相では最も良い玄関の位置は辰巳(東南)の玄関とされており、東南の方向に玄関をつくると家長が出世し家が繁栄すると言われています。なぜでしょう?良いとされている東南方向は太陽の光を一番受けるために衛生的にも優れています。昔は下水道も完備されておらず道路も舗装されていなかったために、伝染病などが蔓延していました。そのため、日当たりがよく湿気のこもりずらい東南方向が良いとされています。しかし、日当たりのよい東南の方向に玄関をもって行くのはもったいない感じがします。
現在の玄関ドアは防犯性、耐火性、断熱性が重視されガラス面が少なくなっているため、光が入りづらくなっています。あえて、居心地の良い東南方向に玄関を造る必要はあるのか?
・・・建築家の立場でいえば、鬼門とされている方向を避ければ良いと思います。現代の建築技術において家の中での湿気対策は断熱材や内装材の選択により回避され、昔とは比べ物にならないほど進歩しています。
<トイレ>


表鬼門(北東方向)、裏鬼門(南西方向)、家の中央にトイレを造ると家減、短命とされています。なぜでしょう?表鬼門は北東方向ですので寒い場所、裏鬼門は南西方向ですので熱い場所、家の中央に設置した場合、昔の家は空気の流れがなく換気に支障を来たしていたため、衛生面でも問題がありました。北東方向の表鬼門にトイレを造ると冬場寒く、脳梗塞や心筋梗塞などで倒れる人が多かったために良くないとされてきました。南西方向の裏鬼門の場合は夏場暑く、熱中症に倒れる人が多かったためです。家の中央では空気の流れが悪く、暗いために衛生上良くありませんでした。家の中央部分にトイレを造る方は殆どいませんが、寒さ対策は必要だと思います。冬場にトイレで倒れる方が多いのは布団から出た時や温かい部屋から寒い場所に移動した際の温度差が原因になっています。
トイレでは半身裸ですし、力んだりすることもありますから、血圧が上昇します。そのため、脳梗塞や心筋梗塞等を起こす恐れもあります。寒さ対策が最も重要と言う事です。断熱材、内装材の素材の選択に気をつけ熱損失の大きい窓は小さめにするなど、温度差をなくす事が大切です。

<キッチン>
キッチンを表鬼門(北東方向)、裏鬼門(南西方向)、家の中央に造ると、その家の長女、主婦に災いし、良くないと言われています。なぜでしょう?科学的な根拠があります。表鬼門(北東方向)は冬場は最も寒い場所になります。昔の家は土間ですので断熱材もありません。冬の早朝などは特に寒く危険な場所でした。温度差による心筋梗塞や脳卒中が起こる率が高かったのです。
また、毎日台所に立つ女性にとっては、冷えから来る婦人病になってしまう恐れがありました。裏鬼門(南西方向)は西日が差します。夏場は暑さが厳しくなる場所です。昔の家は冷蔵庫やエアコンなどはありませんでした。そのため、食材も傷みやすく、食中毒の恐れがありました。また、マキを焚いたり井戸水を汲んだりした時代は大変暑い場所になるため、調理をする女性の方達には熱中症にかかるリスクがあったために、この様な事が言われ続けてきたものと考えられます。
家の中央にキッチンを設置する事も良くないとされています。カマドに火を焚いていた時代には煙や臭いが気になったからです。断熱材の無い時代で、いくら通気性が良かったとは言っても通気は考慮していました。しかし、現在では冷蔵庫や冷暖房器具などの発達で、その様なリスクは回避できます。

<階段>
家の中央に階段を設置することは心臓病を患うと言われ、鬼門と同じく良くないとされています。なぜでしょう?昔の家の材料は太くて丈夫な材料が使われていました。瓦も多く使われていたため、屋根部分の重量も重く、それを支える柱や梁はしっかりとした材料が入っていました。それを家の中心でしっかりと支える太い柱を大黒柱と言う様に大切な柱の入る場所に階段を設置する事は家全体の強度が不足してしまいます。
また、現在の様に照明設備も充実していなかった時代は昼間であっても暗く危険な場所でもあったのです。現在では照明設備も発達し、昼間薄暗い場所では、屋根の中に光を取り入れるためのトップライトを設置する事も出来ます。強度の問題では強度計算をして設計し確認申請の許可を得なければ建築出来ませんので問題はないと考えます。
<和室・茶室>
和室・茶室を表鬼門(北東方向)に造る事は良いとされています。悪い気を静かな場所で鎮めるといった事の様ですが、和室や茶室には畳が設置されます。北東方向は日差しが当りにくいため、畳が焼ける事を最小限 にする先人の教えだと私は考えます。また、湿度の高い梅雨時などは畳にカビやダニの発生が起きやすくなります。逆の発想で良く考えれば、カビやダニが発生してきたら家の環境が悪くなってきている事のSOSだと考え掃除や換気に気を付ける事で家も人も健康に暮らせると言う事ではないでしょうか。
最後に家相とは先人の知恵であり、教えともいえるものです。上下水道、給排水・換気・冷暖房の設備、電気、ガスのない時代より伝え継がれてきた自然と上手に付き合う方法の様なものだと私は考えます。
現代の建築技術・環境は、昔とは比べ物にならないほど進歩しています。ライフランの設備や家の断熱・機密性、様々な住宅設備機器の向上により私達の生活環境や生活様式は日々変化しています。
家相という考え方を正しく理解し、迷信や占いめいた事に惑わされる事のない様、現代の生活環境にあった家相建築をご提案させて頂きます。